CANARE L-4E6SとNeutrik NP2X-WTでギター用シールドケーブルを自作

CANARE L-4E6SとNEUTRIK NP2X-WTを組み合わせて自作したギター用シールドケーブル

実はエレキギターやエレキベースとアンプの接続に使うシールドケーブルは消耗品である。

僕はコロナ禍の「お家時間」を充実させるべく数年ぶりにエレキギターを引っ張り出してきて、この趣味に出戻ったのだがシールドケーブルも数年間放置していた物だ。何年間も束ねてきつく縛っていたので曲げた部分に負荷が掛かってしまったのだろう。アンプを歪ませないクリーントーンでも絶えず「ブー」というノイズがして時折「ブツブツ」という雑音が入るようになっていた。

そんなわけで、以前から興味があったこともあり僕は品質の良いケーブルとプラグを購入して自作にチャレンジすることにした。

僕はさっそくサウンドハウスにCANARE L-4E6S × 10m、NEUTRIK NP2X-WT × 4個、OYAIDE SS-47 50gを注文した。CANARE L-4E6S はブラック, ホワイト, グレー, レッド, ブルー, イエロー, グリーン, オレンジ, パープル, ブラウンの10色が選べたのでパープルを選んだ。NEUTRIK NP2Xも通常品のシルバーの他ブラックとホワイトが選べたので360円の通常品よりも160円高くなるがホワイトのNP2X-WTを選んだ。残念なのはL字型のNP2RXにはホワイトが無かったことだ。

ハンダに高価な物を選択したので合計金額が5,160円になってしまったが、ハンダは頻繁に使わないので使い切るのに数年かかるだろうし3.5m × 2本と3m × 1本の3本作っても元々使っていたProvidence F201 model “Fatman” 3m/SLとほぼ同じ価格だから充分安い。プラグが2本分なのは1本はハンダ付の練習をかねてケーブルが劣化したProvidence F201のプラグを再利用するからだ。

CANARE L-4E6S
NEUTRIK NP2X-WT
OYAIDE SS-47

到着したので、さっそくProvidence F201からプラグを外して練習に1本製作してみる。テスターで導通を確認して問題なかったのでギターとアンプを接続しても問題なく音が出たから本命の2本を製作しよう。

ハンダごて, はんだこて台, テスター
ラジオペンチ, ワイヤーストリッパー, カッターナイフ, 放熱クリップ

用意する物

  • ハンダごて
  • はんだこて台
  • テスター
  • ラジオペンチ
  • ワイヤーストリッパー
  • カッターナイフ
  • 放熱クリップ

作業中にプラグを固定できないと作業しにくかったので治具を作成した。材料は百均で売っていた合板製の箱というか枠のような物で、それに穴を開けて以前に交換した時に外したジャックを装着した。

ケーブルを剥く前にエンドキャップを入れておく。これを忘れると後で後悔する。

使用するケーブルの外径が5.5mm以上の場合はチャックというパーツの先端を切りる。

NEUTRIKのWebサイトからダウンロードできる「ASSEMBLY INSTRUCTION」にはケーブルの外皮を16mm剥くと指定されているが、後から切って合わせれば良いので作業しやすいように少し長めに外皮を剥いた。

次に竹串で網線をほぐす。結構しっかりと編んであるので爪楊枝では折れてしまう。網線をほぐすと芯線を覆う紙と補強用の紐それとCANARE L-4E6Sは4芯ケーブルなので青と白の芯線が2本ずつ出てくる。紙と紐は不要なので切除する。一般的には「有色ホット」といって色が付いている方をホット(+)にするので青い方を「ASSEMBLY INSTRUCTION」に従い16mmにカットし先端4mm皮膜を剥いた状態に整える。白い方は根本から皮膜を剥いてほぐした網線と共に縒り合わせて10mmの長さにカットして、両方とも先端に予備ハンダをしておく。

自作の治具にプラグを装着し…

クランプを使って治具を机にしっかり固定する。

中心部の方(Tip)に青い芯線の方(ホット線)をハンダ付し、外側の方(Shield)にシールドと白い方を縒り合わせた方(グランド線)をハンダ付する。

ハンダ付が終了したら治具からプラグを外して(ハンダ付直後は熱くなっているので素手で掴まないよう注意)チャックを被せ最後にカバーを被せてエンドキャップとねじ込む。反対側も同様に作業してテスターで導通を確認したら完成だ。

NEUTRIK NP2Xを使用する場合には、グランド線をハンダ付せずチャックから出して外側のケースと挟み込む方法も紹介されているが、NEUTRIKのWebサイトからダウンロードできる最新の「ASSEMBLY INSTRUCTION」にはハンダ付することが指定されている。

CANARE L-4E6SとNEUTRIK NP2X-WTを組み合わせて自作したギター用シールドケーブル

ギターアンプに繋いでみたがノイズに強いのは本当だった。今まで使っていたProvidence F201は「ワイドレンジ&ローノイズでエレキギターに一番オイシイ“MID-LOW”を強調」とあるが、自作したケーブルは音の太さは遜色なくかといってどの帯域も特に強調されていない自然な音だ。人によっては「特徴がなく音楽的ではない」「地味で面白味がない」という評価になりそうだが、僕としては狙い通りのサウンドだし紫のケーブルに白いプラグという他にはあまり無い物が作れたので満足している。