Ibanez RG350DXZ の改造

Ibanez RG350DXZ

Ibanez RG350DXZを中古で購入した。

中古品だが、フレットの摩耗が殆どない良品だ。
シリアルNo.から2013年製らしい。

Ibanez RG350系は長く生産されているので、製造年度毎に仕様の違いがある。
2013年製の仕様はボディがバスウッドでネックはメイプル3ピース、指板はローズウッドでブリッジはEdge-Zero II tremolo bridge w/ZPS3Fe、ピックアップはフロント:Ibanez INF3、センター:Ibanez INFS3、リア:Ibanez INF4だ。

現行品とはボディ材と指板材が違うけど、ブリッジがただでさえ重い金属の塊であるロック式トレモロブリッジの一種でさらに、ボディ裏側のキャビティ内に通常のフロイド・ローズには無いゼロポイントシステムまで搭載しているのだから出音に対してはボディ材よりもブリッジの影響の方が大きそうだ。

馬鹿にされがちなバスウッド材だけど、菩提樹とかリンデンバウムだと考えれば少し有り難みが湧くかもね😅

このギターは手の小さな僕でも弾きやすくて気に入ったが、アンプを通すと音が今ひとつ好みじゃないんだよなぁ…
ピックアップの仕様は以下の通りHM専用の趣で実際に2000年代のHMには似合った出音だと思う。

  • Ibanez INF3 11.9 KΩ Ceramic
  • Ibanez INFS3 5.8 KΩ Ceramic
  • Ibanez INF4 15.6 KΩ Ceramic

直流抵抗値の高いコイルにセラミック・マグネットを組み合わせたピックアップらしいサウンドで、周波数特性がフラットで音圧感があり、クリーンは暗く冷たいが歪ませるとザラっとした質感だが輪郭がはっきりしているので強く歪ませても対応できるピックアップだと思う。

10万円以下の価格帯のギターに搭載されるメーカー純正ピックアップとしては中々良いサウンドだと思う。
ただ、僕の好みではないんだよね…という訳で、電装系を全交換することにした。

購入したのは以下のパーツだ。

ネック側ピックアップ:
Gotoh Pickups HB-Classic α-Alnico 5-Wh-N 7.67KΩ
センター・ピックアップ:
Gotoh Pickups ST-Classic α-M-White 6.63KΩ
ブリッジ側ピックアップ:
Gotoh Pickups HB-Classic α-Alnico 5-Wh-B 8.80KΩ
ピックアップ切替スイッチ:
SCHALLER Mega Switch Model S-5Way (for ST)
可変抵抗器:
MONTREUX Bourns 24mm pot A500K Split inch
コンデンサー:
electro-harmonix EHX オイルコンデンサー 0.022uF 600V
ジャック:
Pure Tone Jack PTT1
ストラップロックピン:
SCHALLER S-Locks Black Chrome
コントロールノブ:
Haramis Musical Hardware Haramis Flat Top Barrel, Clear Blue Swirl

配線材は Epiphone Les Paul Standard 改造時の余りを活用した。

ギター内部配線用シールドケーブル:
ALLPARTS GW-0837-000 Braided Shield Wire
ギター内部配線用ケーブル:
Gavitt Wire Cloth Wire 黒
Gavitt Wire Cloth Wire 黄
アース線:
Belden #8020 Bus Wire

エレキギターの心臓部といえるピックアップは、今回も Gotoh Pickups 製を採用した。
某オークションで販売されているカスタム・モデルのバルク品で、ボビンのカラーがホワイトでAlnico 5 マグネット(通常品はAlnico 2)を搭載したHB-Classic α だ。

ボリュームとトーンに使う可変抵抗器はミリ規格のCTS製ではなくインチ規格のBourns製にした、理由は…1個あたり40円安いからというだけで拘りの理由がある訳ではない。
元はミリ規格の可変抵抗器が付いていたのでピックガードの穴を拡げなければ取り付けることが出来ない。

配線はIbanez製H-S-Hレイアウトのギターの純正配線と同様にハーフトーン時にハムバッカーがコイルタップされる所謂「ヴァイ配線」にした。
配線方法は、SCHALLER Mega Switch Model S-5Way (for ST)付属の配線図通りに配線すれば問題なくできる。

今回の改造で唯一問題になったのはコンデンサーの物理的なサイズが大き過ぎる事だった。
改造前と同じようにトーン側可変抵抗器の3番端子と背面(アース)にコンデンサーを繋ぐとキャビティ内に収まらない。そこで、コンデンサーが2つの可変抵抗器の間に収まるよう配置するために、ボリューム側可変抵抗器の1番端子とトーン側可変抵抗器の2番端子をコンデンサーで接続して、トーン側可変抵抗器の3番端子を折り曲げて背面に接触した状態でハンダ付けしてアースに落すというレス・ポールでよく用いられる接続方法で配線した。それでもキャビティ内は一杯だ、コンデンサーは同じ耐圧でもサイズの小さいフィルムコンデンサーに換えた方がいいかも知れない…ちょっと使ってみたかっただけでオイルコンデンサーに拘りがある訳ではないし…

配線が終わって、元通りに組み立てたら完成だ。

試奏したらハーフトーン時の出音が小さく低域が薄く細いのでハムバッカーが逆相らしい…
ネットの情報で、「Gotoh のピックアップはダンカンと同じ」というのがあったのでその通りに配線したが、Gotoh Pickups 製のハムバッカーはSeymour Duncan製のハムバッカーとは逆で、緑がホットで黒がコールドだったようだ。新品のElixir POLYWEBが勿体ないので弦交換の時にでも修正するとしよう…

Epiphone Les Paul Standard (2005年中国製 ) の改造 #4

Epiphone Les Paul Standard 改造後

部品が揃ったので、電装系の組み付けを行う。

写真を撮るのを忘れてしまったのだけど、キャビティ内は黒く塗装されていた。

導電塗料なのだろうか?それにしても雑な塗り方で塗りが薄い部分は木材の色が透けているくらいなので、導電塗料だとしてもシールド効果は期待できそうにない。テスターを当てたが、やはり導通していないので、部品を組み込む前にキャビティ内をシールドするために銅箔テープを貼ることにした。

GOTOH PICKUPS製のハムバッカーは4芯ケーブルなのでシリーズ(直列)/パラレル(並列)切り替えやコイル・スプリット(コイル・タップ)が可能だ。僕は高校生の頃FERNANDES FR-55というSSH配列でロック式トレモロ・ブリッジ搭載のギターを持っていて、そのギターはトーンがプッシュ・プル式のスイッチになっていてコイル・タップ可能だったのだが、個人的にはコイル・タップしたシングルの音は本物のシングル・ピックアップの音と違って厚みが足りず使い途がなかったので、コイル・スプリットではなくシリーズ/パラレル切り替えができる配線にすることにした。

プッシュ・プル式スイッチ付きポットの配線は、錐でスイッチ用端子の穴を拡張しないと配線材とピックアップ側のケーブルを一緒には通せない箇所があり難儀した。壊れたら次はスイッチの無い普通のポットに交換しよう😅

それと、コンデンサは MONTREUX Retrovibe Oil Capacitor 0.022uF 400VDC を選択したのだが、コンデンサの足が細くて折らないように気を使わなければならなかった。

改造前後の写真を並べてみる。

ピックアップ・セレクター(改造前)
ピックアップ・セレクター(改造後)

ピックアップ・セレクターへの配線を、コネクター接続から直接ハンダ付けにしただけでも抵抗は減ったはず…だと思う😅

コントロール・キャビティ(改造前)
コントロール・キャビティ(改造後)

アンプに繋いで音叉を鳴らして音が出る事とセレクターの接続が正しい事、ボリュームとトーンが正しく機能する事を確認してから弦を張れば完成だ😆

試奏しての感想

低域が減って特性が全体的に高域寄りになり高域の抜けが良くなった。

一方で音量は下がってしまったのだが、ピックアップの直流抵抗値は元のEpiphone 57CH (8.5kΩ), Epiphone HOTCH (14kΩ)からGOTOH HB-Custom Neck (8.12kΩ), GOTOH HB-Custom Bridge (14.4kΩ)とほぼ同等なので、マグネットが磁力の強いアルニコ 5から磁力が弱いアルニコ 2になった事によるものだろう。GOTOH HB-Customのマグネットをアルニコ 2に変えず元のセラミックのままだったら音量は同等以上になったと思われる。

太くて籠もったというか曇ったような湿っぽさのある甘いサウンドだったのが、芯が通った乾いて透き通ったサウンドに変化したのは概ね狙い通りだが、ブリッジ側にはもう少し迫力が欲しいのでマグネットをアルニコ 5に変更してみたいと思った。

Epiphone Les Paul Standard (2005年中国製 ) の改造 #3

ピックアップのマグネット

GOTOH HB-Custom

GOTOH PICKUPSのギター用ハムバッカーは、HB-Classic, HB-Classic α, HB-Custom, HB-Distortion の4種類が販売されている。アルニコⅡマグネットを搭載しているHB-Classic αに惹かれたが、元のピックアップより出力を下げたくなかったので搭載されているマグネットがセラミックだけど、ハムバッカーなら交換用のアルニコ・マグネットが販売されているのであえてHB-Customを購入した。

アルニコ磁石(Al-Ni-Co)は、鉄に加えアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)などの合金なんだけど、配合比率の違いによりⅡ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅷ という種類がある。磁力の強さは Ⅲ < Ⅱ < Ⅳ < Ⅴ < Ⅷ の順となっており、これにより特性に違いがでる。磁力だけでなく磁束密度とか…他にもあるらしいのだが難しい事は解らない😅

アルニコの種類は何にするか?
こればかりは文字情報をいくら読んでもあまり参考にならないが、Seymour Duncan SH-5 Duncan Custom (Ceramic), Seymour Duncan SH-11 Custom Custom (Alnico 2), Seymour Duncan SH-14 Custom 5 (Alnico 5) の3種は同じコイルのマグネット違いなので、この3種の比較動画を何度も聞き返して Seymour Duncan SH-11 Custom Custom の出音が気に入ったので交換用のマグネットはアルニコⅡに決定した。(素直に Seymour Duncan SH-11 Custom Custom 買えよ…😅)

直流抵抗値14kΩ程度のコイルにアルニコⅡマグネットを組み合わせたピックアップは前述の Seymour Duncan SH-11 Custom Custom の他にも EVH Frankenstein Humbucker が存在するので、心の中でもう1人の自分が「いい歳した大人なんだから改造なんかしないで素直にどっちかを金出して買えよ…」と言っているが、「大人の余裕と良識」よりも自分の「非公式なシグネチャーモデル」の魅力の方が勝ってしまった。

サウンドハウスに「MONTREUX Rough Cast Alnico 2 Magnet for HB」と「MONTREUX ACETATE TAPE」を注文したけど、レアメタルであるコバルトの含有量が最も多いアルニコ5もコバルトを含まないアルニコ3も値段が変わらないんだなぁ…

MONTREUX Rough Cast Alnico 2 Magnet for HB

ピックアップのマグネットを交換する

まずアジャスタブル・ポールピースをバックプレートとツライチになるまで緩める。

次にバックプレートとコイルを固定している4本のネジを外す。

GOTOH製の場合、コイルの周囲を覆っているアセテート・テープを剥がさないとベースプレートとコイルを分離できなかった。しっかりと巻いてある…さすがは日本製だ。

マグネットの極性が重要なので、外す前に印をつける。

元のマグネットを外して、交換用のマグネットと極性を合わせる。

マグネットを差し換えたら再度組み立てる。
コイルにアセテート・テープを巻いたらGOTOH HB-Custom のマグネットをセラミックからアルニコ2に変更したGOTOH HB-Custom Alnico Ⅱ (仮称)が完成した😁

Epiphone Les Paul Standard (2005年中国製 ) の改造 #2

まず、現状把握として標準搭載のピックアップの事を調べた。
Epiphone Les Paul Standard にはフロントにEpiphone 57CH、リアにはEpiphone HOTCH というピックアップが搭載されている。

Epiphone 57CH
Epiphone HOTCH

Designed by Epiphone USA

  • Alnico Classic Magnets
  • Double Vacuum Waxed
  • Enamel Wire

新品時にはピックアップに上記の謳い文句が印刷された保護シールが貼られている物だ。

アルニコ磁石とエナメル・ワイヤーを使ったヴィンテージ仕様だとアピールしているわりにリアのEpiphone HOTCH の方は直流抵抗値が14kΩもあるのがツッコミ所だろう…フロントのEpiphone 57CH の直流抵抗値は8.5kΩ程度で、まぁヴィンテージ系とかPAF系とか云われるハムバッカーの範囲内か?

ただ、ちょっと疑問に感じたのはピックアップの直流抵抗値は高いと出力が上がるが高域特性が悪くなるらしいのだけど、Epiphone 57CH の直流抵抗値は高い方ではないのにボワーっとしたヌケの悪いサウンドなんだな…ネットで調べると、そう感じるのは僕だけではないらしく、このピックアップに対する評判はあまり良くはない。それに、このピックアップに使用されているマグネットは「Alnico Classic Magnets」なのだが、正体はアルニコ 5 だそうだ。アルニコ 5 はドンシャリ傾向のキャラクターのはずなのだが…

さらに調べると海外サイトにEpiphone 57CH を解析してGibson 57 Classic と Epiphone Pro Bucker との比較を行ったデータが載っていて、解析者によるとEpiphone 57CH はカバーがニッケル・シルバーではなく真鍮で、ピックアップから出ているシールド線の品質が悪く高域が損なわれているとの事だった。

つまり、ピックアップをオープンにしてシールド線をGibson製ピックアップと同様の網線シールドにでも換えれば改善する…かも知れないと言う事だ。

・・・めんどくさいな😅

そこまでやって苦労しても改善するとは限らないので、ここは素直にピックアップを交換する事にした。

さて、ピックアップは何を付けようか?
17年前のEpiphone Les Paul Standard に Gibson? Seymour Duncan? DiMarzio?

・・・高くね?😅

と、いう事で比較的安価な日本のGOTOH PICKUPS製の製品、それもリテール品ではなく某オークションで売られている箱なしのバルク品を購入した。2個で7,160円だからSeymour Duncan製1個分にもならない。安価といってもEpiphone製のピックアップに比べるとベースプレートの材質はニッケル・シルバーだし丁寧に造られているから充分アップグレードになる。

Epiphone Les Paul Standard (2005年中国製 ) の改造 #1

Epiphone Les Paul Standard

このギターは2005年に半ば衝動的に購入したものだ。17年前なので購入した店を失念してしまったがイケベ楽器池袋店だったはずだ。価格も失念してしまったが、当時は今に比べると円高だった事もあり5万円でお釣りが来たと記憶している。

購入してしばらくは満足していたのだが、フロント・ピックアップの音がこもるのが気になってしまった。フロント・ピックアップ選択時にこもらないようにアンプの Treble を上げるとリア・ピックアップ選択時に高域が耳障りになってしまう…😥

そんな事もあり、その頃はサーフィンの方が楽しかったり失業→転職→転居と自身を取り巻く状況が変化したりして自然とギターに手が伸びなくなって、Epiphone Les Paul Standard は転居時の梱包を解かれる事もなく放置される事になってしまったのだ。それが新型コロナ・ウイルスのパンデミックにより外出自粛生活を余儀なくされるに及び、なんと10年ぶりに封印(梱包)を解かれ再び使われることになったのだ。ド━(゚Д゚)━ン!!

さすがに10年も放置しているとスイッチやポットは劣化してしまうらしく、音が出たり出なかったりボリュームとトーンにガリが出たりしていた。トグルスイッチの方は接点を#1200の耐水ペーパーで軽く磨く事で復活したがポットは消耗品なので交換するしかない。

僕の Epiphone Les Paul Standard はシリアルナンバーを検索すると韓国の「Daewon Musical Instrument Co.」の委託生産により中国の大連で生産された物らしい…現在の中国製Epiphone は青島に在るGibson直営工場で生産されており品質も侮れないものとなっているのだが、そうなる以前の物なので加工も内部配線も雑でお世辞にも品質は高くない。

つまり、安物が古くなったギターに過ぎないのだ…😂

でも、それならそれで良いと思う😅
安物が古くなって価値が無いからこそ素人の僕が慣れない半田ゴテ片手に好き勝手に弄れるのだ。自分で好きに選んだパーツを自分が選んだ配線材で繋げば安ギターとはいえ自分だけの仕様に生まれ変わるのだ。

こんな事は高価なギターだと正直言ってやりたくない。
例えば、最近のGibsonのレギュラー・ラインのレスポールは内部の電気系統は基盤ユニット化されていて、以前に比べて音痩せしているらしいのだが、それをヴィンテージ仕様の配線に改造する事は僕にだってできると思う。しかし、Epiphone製レスポールの5〜6倍の価格のGibson製レスポールを自分で弄るのは気が進まない。もし誤ってボディに焦げ目をつけてしまったら…と思うと容赦無く半田ゴテを当てる気になれない。

しかし、購入時の価格は忘れたが5万でお釣りが来た Epiphone Les Paul Standard なら躊躇なくできる。安ギターには、安ギターなりの楽しみ方があるのだ😁

CANARE L-4E6SとNeutrik NP2X-WTでギター用シールドケーブルを自作

CANARE L-4E6SとNEUTRIK NP2X-WTを組み合わせて自作したギター用シールドケーブル

実はエレキギターやエレキベースとアンプの接続に使うシールドケーブルは消耗品である。

僕はコロナ禍の「お家時間」を充実させるべく数年ぶりにエレキギターを引っ張り出してきて、この趣味に出戻ったのだがシールドケーブルも数年間放置していた物だ。何年間も束ねてきつく縛っていたので曲げた部分に負荷が掛かってしまったのだろう。アンプを歪ませないクリーントーンでも絶えず「ブー」というノイズがして時折「ブツブツ」という雑音が入るようになっていた。

そんなわけで、以前から興味があったこともあり僕は品質の良いケーブルとプラグを購入して自作にチャレンジすることにした。

僕はさっそくサウンドハウスにCANARE L-4E6S × 10m、NEUTRIK NP2X-WT × 4個、OYAIDE SS-47 50gを注文した。CANARE L-4E6S はブラック, ホワイト, グレー, レッド, ブルー, イエロー, グリーン, オレンジ, パープル, ブラウンの10色が選べたのでパープルを選んだ。NEUTRIK NP2Xも通常品のシルバーの他ブラックとホワイトが選べたので360円の通常品よりも160円高くなるがホワイトのNP2X-WTを選んだ。残念なのはL字型のNP2RXにはホワイトが無かったことだ。

ハンダに高価な物を選択したので合計金額が5,160円になってしまったが、ハンダは頻繁に使わないので使い切るのに数年かかるだろうし3.5m × 2本と3m × 1本の3本作っても元々使っていたProvidence F201 model “Fatman” 3m/SLとほぼ同じ価格だから充分安い。プラグが2本分なのは1本はハンダ付の練習をかねてケーブルが劣化したProvidence F201のプラグを再利用するからだ。

CANARE L-4E6S
NEUTRIK NP2X-WT
OYAIDE SS-47

到着したので、さっそくProvidence F201からプラグを外して練習に1本製作してみる。テスターで導通を確認して問題なかったのでギターとアンプを接続しても問題なく音が出たから本命の2本を製作しよう。

ハンダごて, はんだこて台, テスター
ラジオペンチ, ワイヤーストリッパー, カッターナイフ, 放熱クリップ

用意する物

  • ハンダごて
  • はんだこて台
  • テスター
  • ラジオペンチ
  • ワイヤーストリッパー
  • カッターナイフ
  • 放熱クリップ

作業中にプラグを固定できないと作業しにくかったので治具を作成した。材料は百均で売っていた合板製の箱というか枠のような物で、それに穴を開けて以前に交換した時に外したジャックを装着した。

ケーブルを剥く前にエンドキャップを入れておく。これを忘れると後で後悔する。

使用するケーブルの外径が5.5mm以上の場合はチャックというパーツの先端を切りる。

NEUTRIKのWebサイトからダウンロードできる「ASSEMBLY INSTRUCTION」にはケーブルの外皮を16mm剥くと指定されているが、後から切って合わせれば良いので作業しやすいように少し長めに外皮を剥いた。

次に竹串で網線をほぐす。結構しっかりと編んであるので爪楊枝では折れてしまう。網線をほぐすと芯線を覆う紙と補強用の紐それとCANARE L-4E6Sは4芯ケーブルなので青と白の芯線が2本ずつ出てくる。紙と紐は不要なので切除する。一般的には「有色ホット」といって色が付いている方をホット(+)にするので青い方を「ASSEMBLY INSTRUCTION」に従い16mmにカットし先端4mm皮膜を剥いた状態に整える。白い方は根本から皮膜を剥いてほぐした網線と共に縒り合わせて10mmの長さにカットして、両方とも先端に予備ハンダをしておく。

自作の治具にプラグを装着し…

クランプを使って治具を机にしっかり固定する。

中心部の方(Tip)に青い芯線の方(ホット線)をハンダ付し、外側の方(Shield)にシールドと白い方を縒り合わせた方(グランド線)をハンダ付する。

ハンダ付が終了したら治具からプラグを外して(ハンダ付直後は熱くなっているので素手で掴まないよう注意)チャックを被せ最後にカバーを被せてエンドキャップとねじ込む。反対側も同様に作業してテスターで導通を確認したら完成だ。

NEUTRIK NP2Xを使用する場合には、グランド線をハンダ付せずチャックから出して外側のケースと挟み込む方法も紹介されているが、NEUTRIKのWebサイトからダウンロードできる最新の「ASSEMBLY INSTRUCTION」にはハンダ付することが指定されている。

CANARE L-4E6SとNEUTRIK NP2X-WTを組み合わせて自作したギター用シールドケーブル

ギターアンプに繋いでみたがノイズに強いのは本当だった。今まで使っていたProvidence F201は「ワイドレンジ&ローノイズでエレキギターに一番オイシイ“MID-LOW”を強調」とあるが、自作したケーブルは音の太さは遜色なくかといってどの帯域も特に強調されていない自然な音だ。人によっては「特徴がなく音楽的ではない」「地味で面白味がない」という評価になりそうだが、僕としては狙い通りのサウンドだし紫のケーブルに白いプラグという他にはあまり無い物が作れたので満足している。

Epiphone Limited Edition Tak Matsumoto DC Standard Aqua Blue

Epiphone Limited Edition Tak Matsumoto DC Standard Aqua Blue
Epiphone Limited Edition Tak Matsumoto DC Standard Aqua Blue

2013年にGibson傘下のEpiphoneから販売された限定モデル。希望小売価格121,800円なので本家Gibson製の廉価版という位置づけにあるモデルだがEpiphone製のレスポール系ギターとしては高価な部類に入る製品だ。

  • Body:Carved Mahogany Double Cutaway
  • Top:Flame Maple
  • Neck:Mahogany Long Neck Tenon (Deep Set)
  • Fingerboard:Rosewood w/Abalone Trapezoid Inlay
  • Scale:24.75”
  • Neck Pickup:Gibson USA Burstbucker-2 (Zebra)
  • Bridge Pickup:Gibson USA Burstbucker-3 (Zebra)
  • Bridge:LockTone Tune-O-Matic
  • Tailpiece:Stopbar
  • Tuner:Vintage Style w/Tombstone Buttons
  • Controls:1-Bridge Volume, 1-Neck Volume, 1-Master Tone, 1-Three Way Toggle

ボディがメイプルとマホガニーの貼り合わせ、ネックがマホガニー、チューン・O・マチック・ブリッジ&ストップ・テイルピースまではレスポールと共通だが、左右非対称ダブルカッタウェイのボディ・シェイプ、コントロールが2 Volume, 1 Toneという所がレスポールとの違いとなっている。

また、ネックジョイントのディープ・セット・ジョイントとピックアップのフロントGibson USA Burstbucker 2、リアBurstbucker 3は、他のEpiphone Cusutom Shop製の限定モデルでも採用されているモデルがある。

搭載されているGibson BurstbuckerはGibsonが「PAFを忠実に再現」したピックアップらしいのだけど、僕はオリジナルPAFのサウンドを聴いたことが無いのでその部分に関してはよく判らない😅 …まぁ、普通に良い音です。

2013年に限定販売されたこのギターを何故いまさら入手したかというと、当時はギターから完全に離れていたからというのと、実は僕は何を隠そう若い頃は松本孝弘に憧れていたのだ(本当はキャナリーイエローのレスポールが欲しい)😅

そしてコロナ禍になって外出自粛生活を余儀なくされたのがギターを再開した理由だ。

ギターから離れていたと言っても機材全てを処分してしまったわけではなく、Epiphone Les Paul Standardが部屋の置物にHughes&Kettner Edition Blue 15-Rをクローゼットにしまい込んでいただけなので、僕は10年振りにレスポールに弦を張りアンプに繋いで音を出してみた(全く弾けなくなっていたので文字通り音を出しただけ😭)。久し振りに聴いた愛機のサウンドは…

こんなに音悪かったっけ? (´・ω・`)ショボーン

それに…ネックが反ってる…😱

…そういう理由で自分の物欲を正当化して購入したのがこのギターだ。このEpiphone Limited Edition Tak Matsumoto DC Standard Aqua Blueだが一般的には7〜9万円位が相場となっているらしいのだが、実は「難あり品」ということで税込46,800円で購入したのだ。どこに難があるかというと言うと、ボディにラッカー塗装の経年変化によるクラックを模した傷が入れられていたのと擦り傷を故意に入れてあって、要はレリック加工が施されていたのだ(オリジナルがヴィンテージじゃないのに前オーナーは何考えてんだか…😥)。

その反面フレットは全く磨耗しておらず、前オーナーはギターを始めたがチョーキングを練習する段階に入る前に弾けずに投げ出してしまったらしい…フレットや指板の状態から推察するに「Fコード」で挫折したと思われる。僕が難ありながらこの個体を選んだ理由がこのフレットである。フレットの交換費用は<島村楽器のリペア>によると¥49,500~と結構高額なので中古でギターを購入する場合はフレットの磨耗が少ない個体を選んだほうが良い。

Epiphone Limited Edition Tak Matsumoto DC Standard Aqua Blueは使用した塗料の特性か褪色して青ではなく緑になっている個体が多いが、僕が購入した個体も例外では無い。それと、これはEpiphone製のギターの殆どに共通する事だと思うが造りが雑だ。所詮中国製という事なのだろうが、ネック裏に誇らしげに「Epiphone Custom Shop Limited Edition」なんてロゴを入れるなら、もう少し品質に気を使った方が良いだろう。しかし、Epiphone通常ラインのレスポールと違い、配線はコネクター接続ではなく全てハンダ付けされている。

重量は測っていないけどダブルカッタウェイなのでレスポールより少し軽量に感じる。ハイポジションはレスポールよりはマシだけど弾き易いというほどでもない。ネックは元から持っていたEpiphone Les Paul Standardより厚みがあるけどギターのネックシェイプは同じメーカーでも年代により変わるので、同年代のEpiphone通常ラインのレスポールと同じなのか、本家Gibson製のTak Matsumoto DCと同じものなのかは判らない。

基本的にはこの買い物に満足しているが前オーナーが付けた下手なレリック加工が気になり出したので、子供の頃からの悪い癖で修正したくなってしまい耐水ペーパーをかけてしまった。完全に刻み込まれた傷を落とせなかったばかりかヘッドの「Tak Matsumoto Model」のロゴが消えてしまった😥 レスポールなら補修用のデカールが入手できるが、限定品ということもあり補修用のデカールは入手できないらしい。褪色して緑になってしまっているし、いずれ技術的に目処がたった時に再塗装して補修したい。

Hughes&Kettner Edition Blue 15-R の修理

Hughes&Kettner Edition Blue 15-R

Hughes&Kettnerは1984年ドイツ連邦共和国ザールラント州ノインキルヒェンで創設されたエレキギター・ベース用アンプを製造・販売するメーカーで、Edition Blueシリーズは同社のエントリー・モデルとして販売されていたソリッドステート・アンプで15W/30W/60Wの3種類がラインナップされていた。

クリーンとリードの2チャンネル、EQはBASS/MID/TREBLEの3バンド仕様、スプリングリバーブ搭載と必要充分なスペックで、途中でデジタルエフェクト(コーラス/フランジャー/ディレイ/リバーブ)を搭載するマイナーチェンジを施され、2016年にはホワイトの限定モデルが発売されるなど長らくHughes&Kettnerのボトムラインを支えていた。

エントリー・モデルとはいえHughes&Kettner製アンプの特徴と云われる透明感のある煌びやかなクリーンサウンドが再現されていて、ディストーションは軽いクランチサウンドからメタルに対応できるハイゲインなサウンドまで広くカバーしている。

2021年現在、同社からは後継となるモデルが販売されておらず、特に10〜20Wクラスの自宅練習に適した製品は存在しない。

このアンプにはもう一つ他社製アンプにない特徴があって上位機種と同じようにパネルが青く光るのだ。光るからと言って機能やサウンドには何も関係ないのだがハードオフ等のリサイクルショップではパネルが光らないEdition Blueはジャンク品扱いとなっている。パネルは青いLEDで光らせているのだが僕のEdition Blueも光らなくなった、というか点滅するようになってしまった。

別にパネルなど光らなくてもいいのだが、点滅と共にブブブ…とノイズが入るので使っていられない状態になってしまった。買い直すにしても既に生産修了になっているので中古品を探すか他社製品に買い替えなくてはならない。

近所のハードオフにマイナーチェンジ後のEdition Blue 15 DFXがあったので買い替えてもよかったのだがデジタルエフェクト搭載というのが気に入らない。個人的にはギターアンプは純粋なアナログ回路の方が良いと思ったので修理を試みることにした。(白い限定バージョンだったら買い替えていたかも…)

気休めかもしれないが1週間放置してから分解を始めた。アンプの修理は感電の危険が伴うので分解方法の紹介は控えさせていただく。

シャーシを外した。これで半分は直ったような物。

両端の4個のLEDでパネルを光らせている。

コロナ禍なので気軽に電気部品を買いに行くと言う訳にもいかずAmazonで青色高輝度LEDを注文した。どう考えてもこんな沢山要らないのだが交通費より安いし…

ここが問題の箇所。基板上にLEDが直列で接続されており片方が切れると両方点灯しなくなる。

このままだと基板がブラブラして作業しにくいので、シャーシにマスキングテープで基板を固定してLEDを交換する。LEDの明るさが違うので反対側も同様に交換した。

LEDの交換が終了したら元どおりに組み付ける。組み付け完了後、電源コードとギターを接続してドキドキしながら電源投入…

(Ф∀Ф) キラーン!!

おおっ!!明るい!! 輝度が高くて上手く写真が撮れない!!肝心の音もちゃんと出ている。

ということで無事に修理完了!!